「すふぃおん!日記」よりARIAな妄想3

アヤヒは考えていた。私たち魔王軍は魔王様の意思のもと人間たちを苦しめてきた。しかしもともとは占領してきた人間に恐怖を与えて撤退させ二度と侵略されないようにするのが当初の目的だったはず。
それが人間のみにとどまらず全ての種族、そして世界を手に入れようとしている。
魔王様の意思に逆らう気はないが最近の魔王様は歯止めが効かず暴走しているように感じる。
私たちも命令で世界征服のため行動しているがやはりついていけないと感じることもある。

そんな魔王様の暴走を止めるきっかけになるのがアキの存在。優しすぎるアキは闘いには向かない。しかし本人は気づいてないが実は隠された魔力、いや封印された力が存在する。

その力は魔王様にも匹敵するとも私は感じている。なぜなら私はその一端を目撃してしまった。

しかしアキにはその記憶がない。というより記憶が欠けてる時間が少しずつ存在する。おそらく力に関係することだと思うが…。

よって何かがきっかけで発動してしまう危険なもの、しかしうまく使えれば魔王様をも…。


はっ!!魔王様に仕える身でありながら私はなんてことを考えているのだろう。
しかしこの状況をうまく利用できたら私が…。


魔王様もおそらく今回の出来事について気づいているはず、そして今までの私たちの行動を知っているはずなのに何も起こらないのはやはり怖いな。



勇者は眠っていた。今回はあの悪夢を見ない。
みていたのは今までの冒険の記憶。


幼い頃から自分は外で遊ぶより家で本を読んだりする方が好きだった。だからかつて魔王と激闘を繰り広げた人物の血をひいているという理由だけで勇者として祭り上げられた結果修行の日々となってしまった少年時代。


一時期なりをひそめていた魔族が自分の時代に暴れだしたことを不運に感じたまま闘いに赴くことなった。


後ろ向きにしか考えられずただただ無我夢中で戦いに明け暮れる。それでも旅の途中仲間ができたことで気持ちに余裕がでてきて当初の暗い考えはおさまった。
しかしその余裕から調子に乗りすぎた結果、仲間が離脱することになる。


仲間を失った原因は自分にあると深く受け止めた勇者は二度と過ちを繰り返さないよう心に刻み旅を旅を続けていた。

かといって全ての心の傷が癒えたはずもなくもやもやしたまま旅を続けていた。


そんなある日、1人の女性を助けることになる。敵である魔族の女性を…。とっさに体が動いたというべきか。

助けた後その女性(顔はフードで隠れていたため分からなかった)は深く自分に感謝し帰っていった。


この時自分は人間だけでなく皆を幸せにするため戦っている、しかし1人1人を幸せにすることが皆の幸せにつながると感じた。だから敵といってもむやみに倒すのではなく、できるだけ闘わずして済む方法を考えていたた。


そう自分の最終目的は魔族と共存できる関係を築くため、魔王を説得すること。


だが魔王城につくやいなやの4姉妹の襲撃。もはやこれまでというところでの身を呈して守ってくれたアキ。そして長女の意外な選択肢。答える寸前に気を失ったため返事は保留のはず。それでも助かっているのはなぜだろう。何か目的があるのだろうか?


そんなことを夢の中で考えている時軽く揺れているような感覚にみまわれた。そしてどこかから聞き覚えのある声がする。

目が覚め、ふと起き上がると頭に痛みがはしる!自分を襲いにきたのか!
と思ったがそうではない。

アキも横で頭を抑えて痛そうにしている。どうやら急に起き上がったためお互い頭をぶつけたらしい。

「痛たた〜、急に起きたからびっくりしたよ〜。それでも起きれるようになって良かった〜。怪我が早く治るようにつくった特性料理だよ〜」

見ればかなり豪華な料理が並んでいる、寝起きなのにすごい量だ。


「これをかけるとおいしいんだよ〜♪」

出してくれたのは「すだち」というものらしい。

かけて食べてみる、なかなか美味。

横にあるパンらしき物体が…これは選択肢を与えた長女作らしい、なんなのだろう?!(料理は苦手らしい)

横にあるネバネバしたものはアキに続いてかばってくれたハルカという名前の姉がつくったもの…とりあえず置いておこう。

「ゴホっ!」どうやらのどに詰まらせたようだ。

「あっ!これ飲んで!」
でてきたのは炭酸飲料。
「これはミナコ姉さんから…みなぎるよ〜」
自分を殺そうとしたあの魔女が…!?なぜ?
もうわけが分からない。

考えこんでいるとアキが

「ほら、あ〜んして!」と言ってきた。

せっかくなので食べさせてもらう。

どうやらうれしかったらしくちょっとはしゃいでいる。

その光景をみて本当にかわいいな〜と思った。

そして真っ先に体を張って守ってくれたときを思い出していた。

こんな彼女が自分のために命をかけてくれたのだ。なら少しでも彼女のためになにかできないだろうか!?


アキに続いて自分を助けてくれたハルカ、 行動が読めないミナコ、最後の選択肢を与えてくれたであろうアヤヒ。そしてまだ姿を見せていない魔王。

気になることは山ほどある。しかし自分は心に決めた。

「アキを支えていこう!彼女ならきっと人間とも仲良くできるはず!」



とりあえず妄想は終わりです。

アキ中心の話なので他のメンバーが好きな方は申し訳ないです。
それでも全員に良心がある話を書いてみました。

4人ともに伏線は入れておいたのでお好きな方のルートで続きを妄想してみては?